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「眞城!」
最近、お前はよく笑うようになった。
「眞城、聞いてください。七桜が…」
以前は、それこそ氷のような冷たい瞳で、この世界を眺めていたのに。
「ねえ眞城、七桜が…」
「七桜の…」
お前の口から、その名前が毎日のように告げられるようになったのはいつからだっただろうか。
楽しそうに、嬉しそうに。
頬を染めて宝物のようにその名を呼ぶ。
「ねえ、七桜が…」
いつからだろうな。
お前のその口が、俺の名を呼ばなくなったのは…
お前のその瞳に、俺を映さなくなったのは。
以前なら、俺はもっとお前の側にいたはずなのに。
最初は楽しかった。
毎日のようにあいつの事を相談してくるお前がうれしかった。
長年待ち侘びた生BL。楽しくないはずがない。
「あ、七桜…!」
なのに…
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