ハトリと璃王と朱雀

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「うごける?」 びっくりしたのと怖かったのとで、気絶したお兄ちゃんの下で金色の男の子を見上げたまま動けなかったボクに、声をかけてくれたのは黒い男の子。 横に首を振ると、お兄ちゃんをボクの上から蹴り落として、手を引っ張ってベッドまで連れていって、シーツでボクをてるてる坊主みたいにぐるぐる巻きにした。 「えっと…」 「もう、大丈夫だから」 そう言われて頭を撫でられて、突然ものすごく怖くなってきて。 その黒い男の子にしがみついて、赤ちゃんみたいに沢山泣いた。
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