五光先輩と氷呂

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時折真剣によーかちゃんを見つめながら、一生懸命に描いてるのはわかるんだけど… 何を…描いてるの…? え、なんか、氷呂ちゃんの手の動きが絵を描く動きに…見えな… 「…吉野ちゃん…」 「……」 隣に立つ吉野ちゃんを見つめてみたら、小刻みに震えて目を逸らされた。 なにこの反応。 「……ふぅ」 なんかやけに色っぽいため息をついて、鉛筆を置いて。 「…うーん…」 「…ど、どしたの?氷呂ちゃん…」 「なにか…おかしいんです」 「どれど…れ」 覗き込んだスケッチブックには… 個性的な…うん。…うん。うまく褒められない… 「前衛的…だね…」 「ふふ、ありがとうございます」 うれしそうにしないで!良心が痛い! 「なにかおかしいんですよね…」 何かって言うか…総てが…って言うか… 氷呂ちゃん、お勉強出来るけど画力は無いんだ…ね…
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