ちったい氷呂さん

3/29
前へ
/184ページ
次へ
一部の生徒だけが持つことを許された、校内の殆どの扉を開く事が出来るマスターカードキーの対象は、生徒会の部屋も例外ではない。 何度かの呼び出しベルを鳴らして反応が無いことを確認すると、ハトリは自分の持つカードをかざし、ピッと小さな電子音を立て氷呂の部屋の鍵を解除して室内へと侵入する。 「ひーろーちゃーん?まだ寝てるのぉ~?」 朱雀を後ろに引き連れ、リビング、トイレ、浴室と順に中を覗き込み、部屋の主の不在を確認すると最後に残った寝室の扉をノックして 「氷呂ちゃーん?開けるよー」 「氷呂…?」 おそるおそる覗いた寝室のベッドの上には小さな盛り上がりが出来ていて、僅かに上下するそこには誰かが眠っている事をしめしていた。
/184ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1021人が本棚に入れています
本棚に追加