ちったい氷呂さん

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「待ちなさい御剣璃王!なぜ氷呂がいないのです!俺の氷呂に何があっ…」 生徒会の御登校に突然長い髪を振り乱し乱入してきたのは、泣く子も号泣して逃げ出す風紀委員長、五光陽華様。 璃王の襟首を掴もうとした直前、朱雀の腕に抱っこされた幼児と目が合い、そのままの体勢で動きが停止する。 「こ…この子供は…」 「いっとくけどぉ、ボクの子供じゃないからぁ」 「…ゃー…」 「…五光先輩、怖がっている…」 じっと見つめる五光の視線から逃げるように、怯えた様子でしがみついてきた氷呂を、さりげなく隠しながら朱雀が五光から距離をとる。
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