31人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
仕入れた物を倉庫に運び、その後脱衣所に戻って自分の洋服と一緒に少年の服を洗濯機に入れ、スイッチを入れる。
流石に学ランは洗えないから、ハンガーに掛けてリビングに干しておくか。
(あとは洗濯と乾燥が終わるまでに店の準備をして、開店するだけね。)
そんな事を考えながら仕事着に着替え、開店準備に取り掛かる。
数十分後、一通りの作業を終えて自宅に戻り、洗濯機から洗濯物を取り出し畳んで、少年の物は着替えの横に置いておいた。
『さて、あの子はそのうちに降りて来るだろうし、そろそろ店開けるか。』
そんな事を言いながらBARに降り扉を開けると、外には数人の常連が傘をさして店が開くのを待っていた。
『ビリー、武井さん、ママ、いらっしゃい。待たせてごめんね、どうぞ。』
常連を店に入れ、3人のお決まりの飲み物を出す。
『今日はちょっと色々あってね、開店遅れちゃった。』
『あら、紗矢ちゃんはいつだって気まぐれでお店開けてるじゃないの。』
ママにつっこまれた。
いつもの事だけど。
『うん、やっぱりこの感じが良いね、落ち着くよ。』
医学生の武井さんがつぶやく。
確かに、この3人と喋ってる時が一番楽しいと思える。
『そうだな…ところで、後ろに立っているガタイの良いにぃちゃんは誰だ?』
ビリーに言われ振り向くと、そこにはあの少年が立っていた。
.
最初のコメントを投稿しよう!