柏木とロールプレイング

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「だから貸すほどのもんじゃないって言ったろ」 「お前は勿体つける言い方が得意だからな。まあいいや、帰ろうぜ。缶ジュースおごってやる」  ジュースよりも必要なのはこいつのボリュームノブだ。そんなことを柏木の背中を見ながら思ったがあるわけもなく、連れられるように講義室を出た。  ドアを閉める隙間から、集中を削がれたのか何人かが帰り支度をし始めるのが見えた。終わりのチャイムなんて意味がない。少しだけ愉快に思った。
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