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予備校の隣の自販機で缶コーヒーを買ってもらい、近くの公園へ行った。
柏木は押していた自転車のスタンドを立てるとなぜかそれに跨り、ベンチの僕と向かい合った。「こっちに座れば」と促したが「この方がいい」らしい。
僕も柏木も本命の入試を来週に控えていたのだが、去年の経験からか、それともどこか諦めている気持ちがあったのか、今更ジタバタしても仕方がないと二人ともやけに落ち着いている。柏木にいたっては遠くを見ているような目をしている。そういえば特に話すこともないな、そう思いながら缶を開けると、柏木が呟いた。
「よし、完璧だ」
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