斎、キレる!

35/36
前へ
/66ページ
次へ
――… ぐすぐすッ 「ぼ、僕てっきり… 楓たちに… 嫌われてるんじゃないかって…」 「ちがうよ~!? 思ってないもん…」 皆が見守る中、強盗の男たちも見守る… 「グスッ!」 梓に渡されたハンカチで涙を拭くと、斎はニコッと笑う。 「それじゃあ、僕と仲直りしてくれる…?」 恐る恐る聞いてくる斎に、朔たちも顔を見合わせて顔を綻ばせる 「も… もちろんですよ!兄さん!」 斎に抱きつこうとした朔だったが、 「あ、ちょっと待って!」 赤面した顔で、梓たちに渡したいモノがあるの… と懐から四つの紙袋が赤、緑、黄色、黒と… 梓を順に手渡されていく。 「なんだ、これ…?」 赤面した顔で斎は梓たちに微笑む。 「仲直りに、ね…? 本当はみんなの誕生日に渡そうと思ってたんだけど、我慢できなくて…」 「兄さん、これどうしたんですか?」 「…うん。あのね、この間、店の前を通りかかったら、みんなにピッタリだなっと思って… それぞれに似合う色を悩んでたら、5時間も掛かっちゃって」 それぞれ色別にされた袋、斎からの突然のプレゼントに楓達は一気にテンションが上がる 「これ、開けていい!?」 「兄さんが5時間も悩んでくれたプレゼント…」 「うわっ なんだろw」 カサッ! 「……………」 「……………」 「……………」 何かなー? 期待してたぶん、紙袋から出し、現になるプレゼントに楓たちのテンションは一気に急降下した。 楓はそっと… 紙袋に戻す。 「あ、あありがとう!!だ、大事にしまっておくね!!」 楓がそっとしまったのは黄色の首輪だった。
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1420人が本棚に入れています
本棚に追加