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――… ぐすぐすッ
「ぼ、僕てっきり… 楓たちに… 嫌われてるんじゃないかって…」
「ちがうよ~!? 思ってないもん…」
皆が見守る中、強盗の男たちも見守る…
「グスッ!」
梓に渡されたハンカチで涙を拭くと、斎はニコッと笑う。
「それじゃあ、僕と仲直りしてくれる…?」
恐る恐る聞いてくる斎に、朔たちも顔を見合わせて顔を綻ばせる
「も… もちろんですよ!兄さん!」
斎に抱きつこうとした朔だったが、
「あ、ちょっと待って!」
赤面した顔で、梓たちに渡したいモノがあるの… と懐から四つの紙袋が赤、緑、黄色、黒と…
梓を順に手渡されていく。
「なんだ、これ…?」
赤面した顔で斎は梓たちに微笑む。
「仲直りに、ね…?
本当はみんなの誕生日に渡そうと思ってたんだけど、我慢できなくて…」
「兄さん、これどうしたんですか?」
「…うん。あのね、この間、店の前を通りかかったら、みんなにピッタリだなっと思って…
それぞれに似合う色を悩んでたら、5時間も掛かっちゃって」
それぞれ色別にされた袋、斎からの突然のプレゼントに楓達は一気にテンションが上がる
「これ、開けていい!?」
「兄さんが5時間も悩んでくれたプレゼント…」
「うわっ なんだろw」
カサッ!
「……………」
「……………」
「……………」
何かなー? 期待してたぶん、紙袋から出し、現になるプレゼントに楓たちのテンションは一気に急降下した。
楓はそっと… 紙袋に戻す。
「あ、あありがとう!!だ、大事にしまっておくね!!」
楓がそっとしまったのは黄色の首輪だった。
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