斎、キレる!

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「に、兄さん… や、やですね!犬用の首輪と間違えてますよ!」 引き攣らせた顔で緑の首輪を手にした朔が言うも、 「うん。みんなにピッタリだと思って(ニコッ)」 満面の笑顔で頷いた。 「やっぱり、梓には赤い首輪が似合うと思ってたよ?朔は緑、楓は黄色、夜は黒。 僕ね、5時間も悩んで悩んで… それに決めたんだけど… もちろん、付けてくれるよね…?」 「あ、梓兄さん! 学園でこれを付けるなんて僕は嫌ですよ!!」 いつも生意気な朔が珍しく涙目だ。 「ちょっw 自分が付けるとかマジで笑えないんだけど…」 困惑した目で夜は斎に目を向けるが、 「………もちろん、今すぐ付けてくれるよね…?兄弟愛は不滅なんでしょ?ちゃーんと、僕のモノって目印つけとかなきゃ… ね、理事長先生? 僕から楓を取ったら………… ね?」 うっすら笑う斎に理事長は今にも失神しそうなほどに青ざめた顔で後退する カチッ! 「ふふっ これでどこでも一緒だよ? その首輪にはGPSも付けてあるから… 何処にいてもわかるよ」 三つ子たちに抱き着く斎は満面の笑顔だが、抱き着かれてる朔たちはというと――… 「「「……………」」」 斎が笑顔なのに対し、喜べる心情ではなかった。寧ろ、青ざめてるくらいだ。 「どうしたの?みんな、顔色悪いけど…? これからはずっと一緒だよ」 『おい、誰だよ! 平凡はめっちゃ有害じゃねぇか!!』 『もう、よそうよ。 もう いいじゃん… 平凡は偉大で!』 ――… その後、強盗グループは自ら自首した。ひどく青ざめた顔で――… 警官が何を聞いても、青ざめるばかりで口を閉ざしていたそうだ。 (完)
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