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「よくしゃべるやつだな。
英語が得意科目なら字幕無しで映画も見れるし、筆記テストなんて完璧だよなぁ?」
そう小林先生はいいながら、自分の手帳になにか書き出している。
「あっ!そういう嫌み!じ、字幕はまだ無しっていうのは無理だけど、筆記なら自信あるもん。洋書もたまに読むし…」
「ほぉ~。洋書なんてよむのか。」
「うん。ハリーポッt」
「そんな子ども騙しの本を読むから産休の意味もわからないんだっ
!!」
「そ、そんな怒鳴ること無いじゃないですかぁ!」
「どなってなんかないだろう…」
「んもう、…あんまりこういうこと言いたくないけど。
小林先生こわいんだもん。やり過ごす術をね、見つけないと。やってけないんですよ生徒も。」
「こ、こわいのか?」
「そ。なんてゆうか?表情になんの変化もないし、怒鳴るし?あたしゆとり世代だし。怒鳴られることになれてなi…」
「すまない。」
「えっ?」
小林先生は椅子に座っている私に頭を下げて、珍しくちょっぴり哀しそうな顔をしていた。
この角度から見ると小林先生が上目遣いをする感じだ。
なんとも、変な感じ。いつもと逆なだけなのに。
ちょっと言い過ぎたかな?
あ、こんな表情を見るのは初めてかもしれない。。
そんな思考をめぐらせていると、いつまでも頭をあげない先生がいる。
「いいいいいんですよ!!そんな頭なんてさげないでくださいよぉぉー!!」
「…あぁ。」
き、気まずい雰囲気になってしまった。。
「齋藤君。」
「ぁ、はい!」
「この英文を解きなさい。」
「は、はぁ。」
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