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先生なんかいないじゃん、そう言おうとした。
けど、明らかに制服じゃない人が…いた。
くしゃくしゃと無造作に立った髪に整った顔。
黒い太ぶち眼鏡、スラリとした体に似合う黒のベストとスラックス。
文句ない、美形だ。
制服着てても違和感ないんじゃないか、この人は。
顔を崩して笑うと子供っぽくて、ほんとこんな人教師でいいの?
クラスの中心の男子とフレンドリーに話してるところを見ると、教師とは思えなかった。
「うわー、私英語好きになりそう」
『じゃあもうノート貸さない』
「それは困るって」
先生が扉の音に気づいたのか、少しだけ男子との話をやめてこっちを向いた。
「おっ、全員そろったな?」
…なに。
すごい、視線が気になる。
おかしいでしょ、何で私をそんなに見る?
「ま、座れ。
チャイム鳴るから。」
そらされた視線。
…何か…
気分悪い、この人。
ー
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