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プライド。
席替えをした。
くじ引きで決めたのは良いけど、ひとつ言わせて。
“今すぐ帰りたい。”
何でよ。
何で教壇の真ん前で
しかも右隣が慎二なの?
あり得ないよ。
慎二の視線が突き刺さるのが痛いほどわかる。
これで私が慎二の方を向いたら、きっと目を逸らされるのだろう。
私は、教壇に所せましと書かれたイタズラ書きに全神経を注ぐ事だけに没頭することを決めた。
予習と復習をすれば、幸い英語なら何とかなる。
…なんて考えが甘かったことを、私は直後に知ることになる。
「お前、クマ酷いな
ちゃんと寝てるか?」
『…は?』
…先生の一言だった。
「顔色も悪いしさ
失恋でもした?」
『…』
…デリカシーって無いの?
事情も知らないくせに、そんな知ったような口きかないでよ。
慎二の前で、そんなこと。
冗談で言ったなら許せない。
――あまりにも教師として荒削り。
だって、教師ならそんなプライベートなこと突っ込まないでしょ?
気分悪い、
やっぱこの人は嫌いだ。
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