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「誰?」
…………そりゃそうだよ。イズミの前からいなくなったのは、イズミがまだ1歳になる前だ。
「和泉、私のことわからな「今日は…お父さんと、千晶ちゃんのプレゼントを買いに来たんだ。」
「おばちゃん…僕の“お母さん”なんでしょ?」
俺もアイツも驚いた。
母親の顔も知らないはずなのに…
「今、ボクには…ママがいるんだ。一緒に冷たいお弁当じゃないごはん食べて、一緒にお風呂に入るママが…だから…」
アイツは腰を落として、イズミに言った。
「和泉?おっきくなったね。そうよ。私はあなたの“お母さん”。でも、今ちゃんとママがいるんでしょ?ママ…って呼んでないでしょ?アナタの今のママは私じゃないわ。」
そう言って、俺たちに頭を下げて帰って行った。
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