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それから、酔い潰れて眠ってしまった翼さんに毛布をかけて、久しぶりに母娘でワインを開けた。
「「乾杯!」」
カチンとグラスを合わせて赤いワインを飲む。
「やっぱり娘と一緒に飲むお酒は美味しいわ~」
と上機嫌なお母さん。
私はお母さんに、クリスマス頃にあった話を掻い摘んで話した。
「イズミ君は…優しいコなのね。」
「うん。私って本当に幸せ者ね、エヘヘッ!」
「あら、親に惚気るなんて…」
そして2人で笑いあった。
「前から思っていたんだけど…イズミ君ももうすぐ小学生でしょ?仕事辞めたらどうかしら…」
お母さんが突然神妙な顔つきで言う。
「いくらパートとはいえ、学童に預けるんでしょ?やっと分かり合えた今なんだから、“親子”の時間を作ってあげたら?」
という。
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