疑う心

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円山さん…って言ってた。 彼女、きっと…翼さんのこと……… 止めよ、思い違いかも知れないし… 「すみません…送って頂いて…」 「いえ、お気になさらないで下さい。では、私はこれで…」 と、円山さんが帰ろうとしたその時… 私に背を向けた彼女がくるりと向きを変えて、私を見据えた。 「私、藤井さんの部下の円山穂香(マルヤマ・ホノカ)と言います。」 睨むような視線が私をチリチリと焦がすようだ。 「私、藤井さんが好きなんです。もう何年も前から。」 これって… 「私、奪いますから。あなたから。」 そう言ってドアをバタンと閉めて出て行った。 .
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