321人が本棚に入れています
本棚に追加
/99ページ
円山さん…って言ってた。
彼女、きっと…翼さんのこと………
止めよ、思い違いかも知れないし…
「すみません…送って頂いて…」
「いえ、お気になさらないで下さい。では、私はこれで…」
と、円山さんが帰ろうとしたその時…
私に背を向けた彼女がくるりと向きを変えて、私を見据えた。
「私、藤井さんの部下の円山穂香(マルヤマ・ホノカ)と言います。」
睨むような視線が私をチリチリと焦がすようだ。
「私、藤井さんが好きなんです。もう何年も前から。」
これって…
「私、奪いますから。あなたから。」
そう言ってドアをバタンと閉めて出て行った。
.
最初のコメントを投稿しよう!