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半分眠りに入った翼さんを私はただ呆然と眺めていた。
「なんなのよっ!!もうっ!!」
ペチンと翼さんの頬を軽く叩いてみた。
なんか、自分だけが翼さんを好きみたいに思ってしまうじゃない…
自信を無くすのは、あの、円山さんの焦がすような…
敵意に満ち溢れた目。
やっと手に入れた幸せを逃したくない。
もっともっと私だけを見て?
懇願するように、玄関先で眠る翼さんの唇にそっと私はキスした。
アルコールの匂いのするキスだった。
私だって負けないんだから!!
彼女が出ていったばかりのドアを見つめながら、私は自分を震い立たせた。
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