疑う心

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「ごめんなさい!私、つまらない嫉妬してたの。私ばっかり翼さんを好きで、自信が無くて…」 翼さんは次の言葉を続けることを許してはくれなかった。 翼さんが私の唇を塞いだから。 長いキスで、私は溶けそうになる。 「そんなの、俺だって同じだよ。千晶を好きすぎて…閉じ込めておきたいくらいだ。…確かに、円山には、それらしいことを言われたよ。それは認める。でも…」 そっと翼さんは私を抱き寄せて、それからしばらく黙ってしまった。 「多分、彼女は本気よ?」 その沈黙に耐えきれずに、私がそれを破った。 だって… 昨日の彼女の目は、 上司をからかって言ったような目じゃなかった。 あの眼差しを思い出して、私は背中に回した手にグッと力が入ってしまった。 「大丈夫だよ、俺たちは何も変わらない。…夜、ちゃんと話そうな?」 コツン、とおでこを合わせて まるで私を諭すように念を押すと、 妙に安心するから不思議だ。 コクンと頷くと、翼さんは私の髪をくしゃくしゃっと撫でて、出社した。 .
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