疑う心

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私がスーパーを辞めるまであと数日。 牧野さんは、仕事の飲み込みも早く(前に働いてたから当たり前か。)順調に引き継ぎも出来ていた。 休憩時間。 珍しく、牧野さんと二人きりになって、 話題は旦那様の翼さんのことに。 「藤井さんは、旦那さんとどうやって知り合ったんですか?」 「えーっ?………。私が片思いしてたの。それ以上は秘密!!」 「でも、また何で子持ちの男?藤井さんくらい可愛い人なら、他にもいい男がたくさんいたんじゃないですか?」 やだなぁ、この手の話を牧野さんにするの。 そう思っていた矢先に、牧野さんが私の手を握ってきた。 「僕とか、どうですか?」 か…軽すぎる…。 私はその軽さに驚いてしまって、声も出せずにいた。 「それでも。バツイチでも、子持ちでも、私は彼しか愛せないから。自分が産んだ子供じゃなくても、今は私の息子なの。だから、ごめんなさい。」 そっと握られた手を離すと、 「参ったな、」 と牧野さんが苦笑いを浮かべた。 「さあ、冗談はほどほどにして、仕事に戻りましょう!!」 と、半ば強引に休憩を終わらせた。 .
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