突然の誘い

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愛美の言い付け通り 6時に愛美の アパートに到着した。 チャイムを鳴らす。 ドタバタと物音が扉の 向こうからする。 これはいつものこと。 「開いてるから入ってー!」 愛美の声が奥から聞こえる。 これもいつものこと。 玄関の扉を開け 乱雑に並べられたら 靴を避けて靴を脱いだ。 部屋の奥に進むと 愛美と絵里がいた。 絵里がいることは 想定内。 絵里も大阪に彼氏が いるのに度々合コンに 参加しているのだ。 愛美と絵里は 鏡の前で 髪を巻いたり 化粧をしたりしている。 「気合い入ってんねー。」 私がニヤニヤしながら 二人の光景を見ていた。 「当たり前でしょ!いい男はどこに転がってるかわかんないんだから!」 絵里が鏡の方を 向いたまま答えた。 「そうそう!」 愛美はちらっと顔を上げ 再び鏡に視線を戻した。 その時、チャイムが鳴った。 亜由美だった。 「入っていい?」 靴を脱ぎながら尋ねた。 「えー!亜由美なんか可愛くない?気合い入りすぎ!」 入っていい?という 質問に答える前に 絵里が叫んだ。 「そうかな…?みんなの方が可愛いよ!」 亜由美は部屋に入って 来ながら絵里をなだめた。 「やっぱり絵里ちゃんが 一番可愛い!」 甘えたような声で 冗談とも本気とも 取れる言葉を言った。 「一番可愛いのは愛だもん!」 対抗して愛美も口をとがらす。 呆れた亜由美と私は 二人の準備を待った。 準備が終わる頃には 7時前が来ていた。 「やばっ!もう出なきゃ!」 愛美はみんなを 急かすようにして 玄関から出た。 愛美の車に乗り込み 車を発進させた。
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