感章

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人が生まれてきたことに意味は無い。 伝わり易く言葉にすると、無意味だ。 それでも生まれてしまうし、生まれてきてしまうから、生きるために生きる意味を探す。 だから生まれてきたくなかった。 何もしなくていい、何も考えなくていい。 それがどれだけ楽なことか。 生きている君達、人間の思考形態の基本は数学だということを御存知だろうか。 そう言われる訳は、つまりどれだけ楽に答えを導き出せるかというところにある。 楽、ではimageが悪いなら、単純に、あるいは簡単にという言葉に置き換えよう。 それが最も効率が良く時間も短くなり、何よりミスが少なくなる。 正しい答えを導ける確率は大幅に高まる。 もっとも、数学ではない人生において、正しい答えは存在するともしないとも言えない。 数学にはルール、決まり事の中の話だから正解が成立している。 それに比べて世の中、僕達が生きている世の中は、法律や規律があるが、それは人権のある世の中で生きるためのルールであって、根本の、人間が、生物として、生きていくルールではなく。 正解の無い世界に勝手に育てられて、親の産んだ責任を背負わされて、囲われている。 体感的には、がんじがらめに束縛された、生き地獄だ。 だから生まれてきたくなかった。 でも死ぬのは怖いから、生かされている僕は怖いから、苦しまずに死にたい。 今直ぐ死にたい。 誰にも迷惑掛けずに死にたい。 親は勝手に悲しむんだろうな。 知ったこっちゃないけれど。 良くも悪くも、他人に影響しなければ人は生きていけないし。 あぁ、どうしてもやりたいこととかあるけれど、どうしても会いたいアイドルとかいるけれど、死ぬのなら、全て諦める。 何も無くなりたい。 段々と、シンプルになりすぎていく自分。 そうか、ある意味これが、人間の先なのかな。
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