第1章

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ゲホッ ゲホッ う゛ー 完全に風邪をひいてしまった。 普段から結構体が弱い体質だけど…………さすがに今回はまずい。 咳がとまらなくて呼吸困難になりそう。 もう寝込んでから2日も経つけど、熱も下がらないし、昨日病院に行ったら、もっと大きいところに行って検査しろと言われてしまった。 …………かなり重症みたい。 「大丈夫ー?準備できたー?タクシー来たわよ」 「う、い…ま……く、ゲホッゲホッ」 ママに呼ばれたけど、喉が痛すぎて声がでない。 だるいからだを引きずりながら、階段を降りて玄関までなんとか歩く。 「先に乗っててね」 ママの声を聞きながら、のろのろと足を入れるだけのつっかけを履いて、ドアを開ける。 ……寒っ。 こないだまで暑い暑い夏だったのに、もうすっかり秋だ。 ふらふらと定まらない重心からなんとか身をまっすぐにして目の前に止まっているタクシーに乗り込む。 その後からすぐママも乗ってきた。 .
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