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現在の時刻、10月3日午後11時59分。
忍足は携帯のディスプレイに釘付け。
理由は簡単。
日付変更と同時に恋人に電話をしてお祝いをしてあげたいから。
午後11時59分50秒。
跡部の携帯番号を検索。
壁に掛かっている時計の秒針を見てそれが12の所に行った瞬間に通話のボタンを押す。
プップップップッ……
早く繋がらないかなと思う忍足の表情は凄くにこやか…いや、デレている。
(こんな時間に電話なんかしたら景チャン、驚くやろな…)
そんな事を考えながら繋がるのを待つ。
………が。
携帯から聞こえて来たものは…
『おかけになった番号は電波の届かない場所にあるか電源が入っていないためかかりません。』
…そう。
跡部は寝るとき睡眠を邪魔されないように、携帯の電源を切って寝ているのだ。
そんな事など知らなかった忍足は呆然。
「なんでやねん!!」
携帯に叫びながらもう一度トライ。
しかし結果は同じ。
『おかけになった番号は…』
携帯を持つ手はショックのあまりフルフルと震え出し愕然と肩を落とす。
誰よりも早く跡部にお祝いの言葉を言ってラブラブに話そうとしていた計画は見事に散ったのだ。
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