ひとぉつ

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安政3年 初夏 朝日に照らされたとある武家の屋敷で女中は大急ぎで廊下を歩く 他の女中達もあちこちの部屋を行ったり来たりと忙しそうだ 廊下を歩いていた女中はある一室で足を止めた 女中「お嬢様、お着替えの時間にございます」 女中の声に部屋に居るであろう人物からの返事はない 首をかしげながらも女中はもう一度、彼女に自覚させるように言った 「お嬢様、祝言の準備をいたします」 それでも返事はない 女中は勝手に開けても良いものかと考えながらも襖を少し開ける 女中「お嬢様?」 机の上の手紙だけが彼女の言葉に返事をした †
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