Edge1

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 街が、いや、世界がおかしくなったのはつい五年前のことだ。ある日の、ある瞬間を境に、僕らが使っていたありとあらゆる電気に関わる物の全てが使えなくなった。必死でかき集めた情報によれば、原因は強大な太陽風らしい。  さらに不幸な事に、僕はその時両親を無くした。彼らはあろうことに、たまたま上空を飛んでいたヘリコプターの下敷きになったのだ。  そして僕に残されたのは、たった一人の家族と、親の残した財産だけだった。だが、今住んでいる家は元々僕が生まれ育った家ではなく、親戚の家だ。なにせ僕は未成年だし、(勿論妹も未成年だから)賃金を稼ぐ当てが無かった。バイトも、とてもじゃないが雇う余裕のある会社は当時は0だった。  そうして、僕らは親戚の家に居候させてもらうことになった。
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