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一般試験を通過して入学してきた人達が心の底でどう思っているかは知らないが、一部の学生が良く思っていないのは確かだった。見かけるなり舌打ちする人間や絡んでくる奴もいる。もちろん、それらとは対称的な学生も存在する。
「あ、おはよう、夜杷くん」
僕のクラスメイト・桜咲結花(さくらざき ゆいか)は僕を見つけてそう挨拶した。
「おはよう、結花さん」
彼女は一般入学の生徒だが、特別入学の生徒に対してもごく普通に接する数少ない人だ。
「今日は妹さんは?」
彼女の指摘に、慌てて周囲を見渡すが、いつの間にかいなくなっていた。
別れの挨拶も無しとは、とんでもない妹だ。
†
窓の外を眺めていると、肩をとんとん叩かれた。見れば、雪代克也(ゆきしろ かつや)がすぐ後ろに立っていた。
「また、お前に指名だぜ」
指名、というフレーズに鳥肌が立つ。教室の入り口を見ると、3~4人の女子に囲まれている女子生徒が見えた。彼女はこちらを恥ずかしげに見ている。
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