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久しぶりに吸う空気。 久しぶりに動かす体。 久しぶりに見る光。 久しぶりに発する声。 ……久しぶりに握る、最愛の獲物。 目の前に居る飼い主様は小さくて弱々しくて、生きてた頃は大嫌いだった生き物だ。 だが、しかし。 「良いだろう。小娘、俺を使ってみやがれ」 コイツは嫌いじゃない。 どの国でも認められていない禁薬に手を出し、悪魔とまで呼ばれた俺を蘇らせ使役しようだなんて……最高にブッ飛んでやがる。 「絶対途中で死ぬんじゃねぇぞ?もしも飼い主が死んだら、テメェの飼い犬はこの国の全てを喰らうからな」 こくこくこく 大きく揺れる金色の髪。
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