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少し早めに到着してしまった。
コース料理を予約しておいた。
少しだけ沈んだ雰囲気で店に現れた麻姫。
すごくおしゃれな店内に圧倒されて
「素敵なお店ね・・」ってほんの少しだけ笑顔を見せた。
でもその後はなんだか無理をしているような感じで。
「おいしい!!」っていう言葉も「本当かな?」と思えるくらい、麻姫は空元気だった。
「・・・・」
思わず無言になる。
こんな空元気な麻姫を目の前にして、俺が言っても信じるんだろうか。。。
食事も順調にすすみ、あとはデザート。。
その合間に言うはずだった。
「麻姫」
「蒼馬」
まったく同じタイミングで話しかけてしまう。
「何?」
「ううん、蒼馬こそ何?」
「あ~・・・いや別に・・」
「・・・・ぷっ」
麻姫は緊張している俺を笑ったみたいだった。
「なんだよ~・・」
ふと麻姫の顔をみると、なんだか泣きそうな顔している。
「この後どうする?・・・する?」
ストレートな問いに驚く。
絶対言いそうにないくせに、簡単に誰とでも寝る女っていうのを演じすぎだろうが。。
「ばぁか・・」
そういって、、なんだかプロポーズの言葉をいう雰囲気でもない気がした。
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