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関係が始まって、朝まで過ごしたことはない。
いつも麻姫の家だったから、麻姫が目を覚ます前に起きて家に戻った。
今日は泊まっていくだろうと思ったら・・・
ふらふらと麻姫はバスルームに消えて洋服を着る。
俺は服をきて手の中に小さな箱を握りしめて、うろうろとする。
帰る準備をした麻姫が「はぁ」とため息をしてる。
「どうした?」
「話・・・あるんだよね」
「ん・・・?」
「私たち終わりにしない?」
・・・・
一瞬真っ白にはなったが・・
私たちの関係を終わりにしようという意味だろうと思った。
だって、おまえ・・
そんなつらそうな顔でそんなこと言うのは。
「あぁ・・・」
返事をして、ため息。
「俺も・・・今日終わりにしようっていうつもりだった」
この妙な関係を、ね。
麻姫は、あははと空笑い。
「な~んだ♪だったらちょうどよかったじゃない!私が言うまでもなかった!」
バッグをもって玄関に歩きだす。
もうこれ以上ここに居たくないというような雰囲気だ。
「ちょ・・まてって」
止めるけど聞こえてないふり。
「送っていくよ」
そう言っても、強がって
「いい!一人で帰れる!!」
と突っぱねる。
あぁ、そうだ、誤解してるんだ。
最初のスタートが悪い
そうしたのは俺
俺が全部悪いわけで・・
「今まで楽しかった。ありがと・・」
涙声だ。
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