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第三章 エスケープ
???『偽善者…お前はただの偽善者だ!』
有斗『偽善じゃない!それが一番良いと判断したんだ!』
???『その考えが過ちだと気付くが良い…』
大きな鎌を持った女性は鎌を振りかざす
両手で顔を守ろうとする所で、がばっと起き上がる有斗
有斗『はぁはぁはぁ…なんだ…夢か』
汗びっしょりで目を覚ます
赤木『結構うなされてたみたいだけど大丈夫か?』
有斗『ん…あぁ…変な夢見ちまっただけだ』
片目を擦りながら赤木を見る
赤木『交代の時間もうすぐだけど…まだ寝てても良いぞ』
有斗『ありがとう…でも大丈夫だ』
上着を脱ぎ上半身裸のまま赤木と話す
赤木『しかし不思議だよな…』
有斗『何がだ?』
赤木『今日一日で色々あったが…赤の他人と団結しあって協力しあって』
有斗『こんな状況だし…きっと誰かに頼らないといけないんだ…それぞれ色々な事考えてると思うぜ!』
赤木『まっそれもそうだろうな』
有斗『一番大変なのは、山だと思うがな…』
赤木『どうしてそう思うんだ?』
首を傾けながら有斗に問いかける赤木
有斗『あいつ…全員の心の声聞こえちまうんだぜ…聞きたくない事も何もかも…もしかすると寝たくても寝れないだろうし…知る必要ない事まで聞こえちまう』
赤木『色々聞けて良いと思うが…(例えば白井先生の頭の中とか)』
鼻の下を伸ばしながら妄想に浸る
有斗『赤…鼻血でてるぞ…』
赤木『ん…あっ!おっと』
鼻血をすする
有斗『人の心が読めるって事は、その分気を使わないといけないだろ?皆の事嫌でも聞いてる事になるし、頼られるだろうし苦労するはず…』
赤木『確かにこの状況ならそうかもな…』
三郷『有斗起きたんだ!何話してるの?』
有斗が起きた事に気付いた三郷が、話に入ってくる
赤木『結衣お姉たま♪』
抱きつこうとする赤木を、慣れた動きでかわす
有斗『こうやって見知らぬ者通しで、仲良くなってるのが不思議だな、てね』
三郷『理由は簡単な事よ』
微笑みながら有斗を見る
有斗『なんとなく姉貴が言おうとする事、わかるぞ…』
三郷『あらそう?』
有斗『きっと姉貴の事だし…』
有斗、三郷『運命だから』
有斗『やっぱりな』
有斗の声に会わせて喋る三郷
有斗『それにしても相変わらずだな姉貴』
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