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「っ!!」
永倉の悲痛な訴えに
暫し放心状態だった風牙も我に返る。
そして後ろを見れば真横に包丁が突き刺さり蒼白い顔をした永倉が目にうつった。
一体、何が――…
短時間ではあるが井上の優しい微笑みを見ていた風牙にとっては俄に信じられない光景である。
「新八…君は摘まみ食いの常習犯だから
厨の出入りは禁止だったはずだよ」
「ひぃぃい
す、すまねぇ!源さんっうわ!!」
首根っこを捕まれ連行されて行った永倉に
御愁傷様…。
風牙は心の中で両手を合わせ無事を願った。
源さんが帰ってくるまでに
できることはしておこう。
そう思った風牙は壁にまだ突き刺さっている包丁を抜くという作業に取り掛かる事にした。
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