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「はい、とにかく。懍抜きでサボったら怒られるよ?懍はスピーチで抜けられないんだから。」
「ちぇっ」
「つまんないっすねー。」
本当を言うと、懍抜きでサボるつもりなんてない。
ただ、流れだ。
3人は懍から流れに乗るコツを伝授され、また作る技を教えられた。
「お、御舟抜きな御舟メンバーじゃん!」
「あ、富永。」
「誠人先生。」
この人は、懍がいない時を狙ってるかの様に俺達に絡んでくる。
懍と誠人先生は中等部から犬猿の仲で、どうしたって分かり合えないらしい。
「あ、そういえば。富永って今年何組持つの?」
「えー…。うん、企業秘密だよ。」
「なんの企業だし。」
松本の的確なツッコミに、3人はゲラゲラと笑う。
それからしばらく話すと、時計の針はすでに始業式の開始5分前を指していた。
「そいじゃな。」
「担任発表、楽しみにしてるよー!」
あれでも一応教師な誠人先生は、走って教員室へ向かう。
「じゃ、俺らも行くか。」
「そうだね。」
「じゃあ俺も。」
松本は新入生側へ、拓海と棗は在校生側へそれぞれ歩き出す。
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