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「うげー…。クラス発表、混んでんな。」
「あはは…。たしかに…。」
校門近くで発表されてる新しいクラス表は、例の如く黒山の人だかりだった。
拓海と棗はそれを前に渋い顔をしている。
「何がそんなにめんどくさいんだ?だって、そこらへんで誰かに聞けば分かるじゃん?」
懍は無邪気に笑った。
2人はそんな懍に苦笑する。
「じゃあ、俺のも聞いてきて。」
「俺もー!」
そんな2人に頷いて、懍は人波に入っていった。
「……ん?おぅ、御舟!」
「やべ、今年は御舟さんと一緒なんだよ…っ」
「いーなーっ!俺別れちまった…。」
クスクス…。
聞こえる聞こえる。
同じクラスだった奴より、他のクラスの奴に聞けばいいか。
特に、私に憧れを抱く男子生徒に。
「あ、ねーねー?」
「は、はいっ?……って、御舟さん!?」
「そ♪私のクラスってドコだか分かる?もしかして、クラス一緒?」
「そ、そうですっ!さ、3組ですよ!」
「クスクス…。じゃあ、今年はよろしく♪」
「は、はいっ!」
真っ赤になってる男子を置いて、懍は拓海と棗のクラスを調べるために女子の輪の中に入っていく。
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