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考えられる可能性は主に2つある。1つは、Bが3日後へ飛ばされるパターン。もしそれが起こったとすれば、Aはどうなるのだろう。その時間に取り残されるのだろうか。
もう1つは、写真からBが消えるパターン。これは花を撮った場合と同じ。3日後の状態を現すのだ。ちょうど72時間後に全く同じ場所にいれば話は別だが、それは有り得ない。
こんな時間から翔馬や凛を呼び出すのは悪い。明日にしよう。
――8/4(木) 10:54 AM――
「よう翔馬、暇か?」
『ん? まぁ、暇だな。どっか行くのか?』
俺の知り合いって、暇な人しかいないんだな。呼べば皆来てくれそうな人ばっかりだ。
「実はさ、あのカメラで試してみたい事があるんだよ。手伝ってくれるか?」
『もちろんいいぜ。凛も誘ってもいいか?』
「あぁ、頼むよ。じゃあ、昼からな」
『分かった。またな』
通話を切り、俺は充電が満タンになったカメラの電源を入れる。俺は彩度を<±0>にして、とりあえず部屋を撮る。そして、フラッシュ光量やコントラストなどの設定を変えながら、部屋を何度も撮影する。
どれも同じだった。他の設定を変えても、何も変わらなかった。
「本当に彩度だけなのか……?」
このカメラのカラクリが彩度だけにしか仕組まれていないのが、逆に怪しい。
――1:47 PM――
凛と翔馬がやって来る。俺は2人を部屋の中へ招き入れる。彼らにこのカメラの事について話す。凛は何度も「え~!?」と言っていたが、翔馬はただ頷くだけだった。
「んで、裕也がこれから面白い実験をしてくれるんだな?」
「あぁ。2人には悪いが、被写体になってもらいたい。構わないか?」
凛は喜んで引き受けてくれた。だが翔馬は、渋い顔をするだけだった。楽しみにはしてくれているはずなのに、どこか不安な点があるような……。
「……裕也と凛のツーショットでいいだろ? カップルなんだしな」
さすが翔馬だ。長い付き合いだから、よく分かってくれている。
「それいいな。じゃあ、早速――」
「な、何で……」
「よし、そうと決まれば早速撮るぞ!」
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