第7章 輪廻

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――9:01 PM―― のんびりとテレビを見ていた俺は、急な着信に驚いた。やっぱり翔馬からだ。 「また翔馬か――」 『一緒にいろって、今朝言ったよな!?』 彼の声は荒々しい。携帯に向かって叫んでいるかのようだ。それだけ重大な事態である事が、すぐに分かる。嫌な予感が的中しなければいいんだけど……。 「すまん、用事だとか言って……」 『……呼ばなかったのか!?』 どうして呼ばなかったって、翔馬は分かるんだ? 俺は嘘をつくのはあまり得意ではない。付き合いの長い彼は知っている。たった今の一言で……。 『今すぐ附属病院に来い!』 「な、なぁ……」 なんとなく分かってるんだよな。けど、やっぱり聞きたいんだ。凛の身に一体、何が起こったのか……。 「凛に……何かあったのか?」 「凛が軽く足を擦りむいた」とか「実は俺が怪我しちゃったんだ」とか、俺はそんなオチを待っていた。しばらくの沈黙の後、翔馬は口を開く。 『乗用車にはねられた……。いいから早く来い!』 そう言い、翔馬は一方的に通話を切る。 「嘘、だろ……?」 どっちにしても、凛は事故に遭う運命だとでもいうのか!? いや、そんなはずはない。きっと変えられるはず。 俺は再び昨日に戻る事を決意する。 ――8月5日(金) 9:10 AM―― 3分後、翔馬からのモーニングコールで俺は目を覚ます。たまらず俺は、自然と起きる事ができた。 ――9:13 AM―― 「あれ?」 そろそろ電話がかかってくるはずなのに、携帯が鳴らない。俺は彼に何もしていない。未来が変わったとは考えにくい。 「変だな……」 まぁ、電話の相手をしなくてもいいし、ラッキーと言えばラッキーだな。……まさかあいつ、凛と一緒にいるんじゃ……。 無いな、と俺は首を横に振る。 10時を過ぎ、俺は凛に電話をかける。
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