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少し歩くと、神社の鳥居が見えた。
光がもれている。
オレの目的は、神社の少し先にあるコンビニだった。
神社の前を通り過ぎようとしたとき、なんだか急に懐かしい気分になった。
「ヤキソバでも買ってくか・・・。」
別に楽しむつもりはなかった。
ただ、もう一度、明るくて、賑やかなところに入ってみたかった。
段差の低い階段を、一段一段のぼっていく。
徐々に、心拍数が上がっていくのがわかった。
今までずっと暗闇にいた孤独な人間が、こんなところに入って咎められたりしないだろうか。
他人にオレがどんな人間かなんてわかるはずがないのに、
神社という神聖な場所だけに、そんなことを考えてしまう。
やっと最後の一段を踏み、神社の中に入った。
ふと、心が暖まった気がした。
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