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ずっと進んでいくと、
そこにあったのは・・・
静かな暗闇。
屋台も無ければ、明かりもなく、賑やかな声もなかった。
明るみと暗闇との境目には、ヤキソバの屋台と、あんずあめの屋台が向かい合って立っていた。
オレは、暗闇に向かって歩きだした。
まるで、暗闇に引き寄せられるように。
足が勝手に動いて、体があとからついて行くような、不思議な感覚だった。
"やっぱり・・・オレの居場所は暗闇なのか・・・?"
暗闇まで、あと一歩。
あと一歩踏み出したら、オレはいつもの生活に戻ることになる。
明かりから遮断された空間での生活に。
しかし、オレの思いとは裏腹に、足は暗闇へ向かって進もうとしていた。
進もうとしていたオレの足が止まった。
オレが振り返ると・・・
そこには、オレの服のすそをつかんだ、小さな女の子がいた。
「え・・・?」
その女の子は、大きくて、くりくりしたたれ目で、綺麗な黒髪のおかっぱ頭で、ちょっと変わった浴衣を着てて・・・
要するに、ちょっと変わったかわいい女の子。
でも、その女の子は他の子とは全く違ったんだ。
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