プロローグ

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学校の屋上に3人の男子生徒がいた。3人は弁当を食べている。 「だからさぁ、結局顔なんだよ」 諦めたような顔で坂上武が言った。 「そうかなぁ」 隣に座っている童顔の本城真が、疑問を持ったような顔で呟く。 「そうなんだよ。お前は顔がいいからモテるだろ」 「うん」 「即答じゃねえかよ。少しは謙遜しろよ」 「全然モテません」 「……もういい」 武はうんざりしたような顔をした。 それからぼんやりと空を見ている西澤和人を見た。 「そんでお前も」 和人は武の方を向き、怪訝な表情をした。 「はぁ?俺は別にモテねえよ」 「気付いてねぇだけだよ。お前ってすげぇ人気あんだぜ」 「へえ」 「興味を持てよ!……いいよなぁ、モテる奴は」 そう言うと武は大きくため息をついた。 和人はまた空を見始め、真は武を観察するように眺めた。 「あ、飛行機」 和人がそう呟いたと同時に風が吹いた。3人の髪が静かに揺れた。
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