わがまま

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一週間。 それは長いようでみじかくて。 なんとか形になった妖精の服。 でもやっぱりガタガタで、ちょっとおかしくて。 それでも娘は喜んでくれた。 満面の笑顔で、あいつによく似た笑い方で、嬉しそうに飛び跳ねて。 それを見て、やっぱりやってよかったと思った。 学芸会当日。 ほかの子と比べるとやっぱり少しおかしかったが、それでも娘は自信満々にやりきった。 最後の最後、一瞬目があったとき涙腺が緩んでしまった。 これぐらいのことはいくらでもしてやる。 俺の手でみぃが少しでも幸せを感じてくれるなら。
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