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私はそのまま真田さんのベッドで2時間くらい眠っていた。 目が覚めたのはお腹が空き過ぎたから。 冷蔵庫のモノ食べて良いって言ってたし、何か入っているだろうと冷蔵庫を開ける。 「何これ?」 中には白い大きな箱。 開けると中はケーキで、フタに真田さんの字でメモが貼ってあった。 『半年記念に何も出来なかったから、美波の好きなパティシエに頼んで焼いてもらった世界に一つのケーキです。 一緒に食べられる幸せを感じて。 然』 「……一緒に食べれてないし。真田さんの馬鹿」 イチゴを頬張る。 口に甘酸っぱさが広がる。 なんだか、イチゴが嫌いになりそう。 ケーキも2口だけ食べた。 ほとんど残したのは私から真田さんへの小さな抵抗のつもり。 急遽、ご主人様にパーティーが入ったんだから仕方ない。 ついて行ける執事が真田さんしかいなかったんだから仕方ない。 分かっているのに、一緒にいれないことへの不満が1番最初に思い浮かんでしまう。
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