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俺は中学を出て、すぐにイギリスに渡り20歳までの5年間を向こうの執事学校で過ごした。
最初の3年は生徒として、後の2年は教師として。
自分で言うのも何だが、かなり優秀だったと思う。
もう何年か教師としてイギリスにいる予定だったが、たまたま執事を探しに来た奥様、那弓様のお母様に気に入られ俺は日本へ帰国した。
最初の2年は奥様の執事として。
那弓様が高校を卒業されてからのこの5年は那弓様の執事として仕えている。
イギリスに渡ったとき、俺はまだ15歳でナメられないように平気なふりをしていつも笑ってた。
それが今になっても、抜けず無意識に笑っているときがある。
那弓様はそれを“気持ち悪い”という。
美波の前では不思議とその笑顔が出る事はない。
自然に笑えるから、美波の側がそれだけ楽だということだと思う。
美波のことを考え、俺は思い出し笑いをしてしまっていた。
「……楽しそうね」
「あ、申し訳ありません」
そうだった。
那弓様とパーティーに来てたんだった。
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