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「一応、屋敷の前を通るから。誰かにだらし無い格好を見られたくないんだ」
「私は平気なの?」
「ん?どういう意味?」
真田さんがキョトンとして、私の顔を見る。
「お屋敷の人に私を見られるかもしれないよ?」
「そんなの平気だよ。逆になんでダメなの」
ケタケタと真田さんが笑う。
その姿がかっこよくてキュンとする。
昨日はちょっと体調が悪そうだったけど、今日は平気そうでほっとした。
「今日は何するの?」
「昨日もDVD見たみたいだけど、俺も見たいの溜まってて。付き合ってくれる?」
「もちろん」
手を繋いだまま、お屋敷の前に差し掛かる。
「あ、今日は美波が来るからと思って屋敷の厨房から紅茶をちょっと拝借して来た。あとで入れてやるな」
「やった。真田さんの紅茶大好き」
真田さんはお茶を入れるのが美味い。
いつもやってるかららしいけれど。
真田さんの紅茶を飲むのは付き合う前と合わせて2回目だから、楽しみだ。
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