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U Side
「中丸~!」
その声に、呼ばれた本人だけでなく自分も反応してしまう。
一緒にいることの多い田口は、それを見るたびに苦笑する。
「上ピー」
「なんだよ・・・」
睨み付けるように田口を見れば全てを見透かしたような笑みを浮かべられる。
だから、苦手なんだよ。
自分だって分かってるんだ。
不毛だって。
だから女の子と付き合ったりしてるのに、それでも浮かんでしまう。
あいつのこと。
諦めないとと思って、もう10年。
いつまで、自分は思い続けるんだろう。
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