可愛いキミのことだから

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「上ピー」 「なんだよ」 諦めたと思ったのに、田口は会話を続ける気らしい。 「言っちゃえば?」 「ヤだよ」 「どうして?フラれたらどうしよう?って言わないで、もう10年でしょ?言わないで、中丸くんが誰か知らない女の子と結婚したらどうするの?」 「・・・っ・・・」 考えたことがないわけじゃない。 誰にでも優しいあいつが誰かとオレの知らない間に結婚しちゃうんじゃないかなんて・・・・ 考えないわけがない。 「・か・・・田口なんか・・キライ・・」 半泣きで、そう溢せば髪の短くなった頭を撫でる手。 見上げなくても誰の手かわかる。 オレの大好きなキレイなキレイな中丸の手。 「どした?田口とケンカ?(苦笑)」 オレが首を振れば、苦笑いを溢しながら 「田口、あんまりイジメないでやって(苦笑)」 そう言うとカメと聖の元へと戻っていった。
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