可愛いキミのことだから

5/10
前へ
/10ページ
次へ
N Side ケンカしていたと思ったら泣きながら田口に抱きついてるし。 最近の上田は本当に、よく分からない。 昔は、一番近くにいて、何でも話してたのに。 いつから分からなくなった? 「・・・・上田?・・・どした?」 「こぉき・・・・・・ぐずっ」 ボソボソと3人が話してるが、何を話してるのかは、分からなかった。 「気になる?」 「ん?・・まあ・・・カメは気になんないの?」 「んー。別に・・・多分、話してる内容分かるし」 カメの笑みが変わったのを知っている。 赤西がグループを抜けた頃に、恐らく別れたか。それに近い状態なんだろう。 昔のような無邪気な笑みは、見るものの目を奪うような妖艶な笑みに変わっていった。 「・・・より・・・・・よ・・・・」 思考に捕らわれていたせいで、カメの声を聞き逃してしまった。 カメもすぐにいつもの表情に戻って、今の言葉を繰り返すことはなかった。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70人が本棚に入れています
本棚に追加