優について

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 智美は自分とって何なのだろう、と優は考えていた。バイト先の狭い休憩室の白い壁を、時計の下にかかったカレンダーを、どことなく眺めながら。中学に入り、一番最初に話した。それだけの関係性が、七年後の現在まで続いている不思議をどう言い表したら良いか、考えを巡らせていた。  一緒に休憩に入った男は向かいに座り、こちらを気にも留めずに携帯電話を眺めている。
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