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「ど、どうしたの!?」
音楽室の中には大きな黒いピアノが置いてある、そしてそのピアノの向こうの窓際には僕の方向を見ながら少し驚いた顔を見せる女子生徒がいた。
彼女のお尻が隠れる程の黒いサラサラの髪は冬の太陽の光に当たってキラキラと輝いている、そのせいで彼女事態が光輝いてみえる。
そしてその光の中に見せるお顔は、決して可愛いと言う言葉が似合う女性ではなく、キレイと言う言葉の似合う女性だ。
そんな彼女の事を僕は知らない訳ではなかった…。
「す、すいません!…遂、中から歌が聞こえたので…。」
「そ…そう。そんなに私の歌をもっと近くで聴きたかったの?…それとも、どんな子が歌ってるか気になったの?」
そう言いいながら彼女は少し、『にこっ』っと笑った。
僕は、どうやらからかわれてるらしい…、しかし本当にキレイだな…雪波先輩。
さっきも言ったが、僕は彼女の事を知っている。
なぜなら朝、浜が彼女の事を『タイプ』と言いながら指差し、僕に丁寧に細かいプロフィールを教えてくれたからだ。
「い…いえ。音楽室の中からどうしても気になる歌が聞こえたので、遂ドアを開けてしまいました!ごめんなさい!すぐ出ていきます!」
僕はそう言うと、僕の背中側にあるドアノブをもう一度力いっぱい引っ張った。
おそらく今、僕の顔は真っ赤になってるだろう…。
『ガチャ』
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