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「いってきま…ふぁーあ…ーす。」
「いってきまーす。」
「もぅ!兄さん、いい加減に目を覚まさないと通学中事故に合うよっ!!」
『バシっ!』
そう言って有子は右手に持っている学校カバンで僕のお尻を叩く。
痛い痛い。冬の冷たさで神経が逆立っている尻が痛い!
そのヒリヒリのおかげで僕はようやく目が覚めた。
「おやおやー朝からおアツイねーお二人さん!」
そういいながら僕の肩と有子の肩に両手をのせる、この長身のサッパリした髪型の男は浜 祐治-ハマ ユウジ-。
僕の小学校からの友達で切っても切れない腐れ縁ってやつだ。
まさか高校まで同じになるとは…とは言えコイツとは相変わらず仲良くしている僕であった…。
「っあ!浜先輩おはようございます!!」
因みに、有子が浜を先輩と言うのは同じ部活の先輩だからではなく、ただ単に年上だからだ。
だが、有子は帰宅部、浜も帰宅部、僕も帰宅部だから強ち同じ部活ってのも間違ってない。
「おいおい先輩は言わなくていいよ。有子ちゃん。」
とか言いながら、浜はもっと呼んでくれ!…というようなだらしない顔をしている。
「わかりました!では、私はこれで。」
そう言って有子は僕達のだいぶ前を1人歩く女の子のもとにかけて行った。
友達…か?
「いや~有子ちゃんはやっぱり可愛いな!な、結城!」
いや待て!兄の俺に同意を求められても…確かに有子は結構可愛いが…
いやいや、それより!
「お前、有子を狙ってんじゃないだろうな!このロリコンが!」
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