僕はあの日忘れた気持ちを取り戻せますか?

-出逢い-

僕は席に座り、窓のそとの季節のおかげですっかり木の葉を剥がれて寂しくなった樹を見ながら考えていた…。

しかし長戸さん…本当に良い声だなぁ～。

…ん?僕はもしかしてもしかしたら…声フェチなのか?!

いーやいやいや!確かに委員長はそれはそれはいい声だが、それは飽くまで一般論!他の奴が聞いても｢いい声だ!最高!!｣…と言うはずだ。

あー、僕はなんてくだらない事を考えてるんだ。

｢皆さん、今年もあとわずかですね!そこで今年も本校では毎年好例の湯ノ沢学園大クリスマスパーティーを行います。そこでですが、このクラス実行委員をしてくれる人は誰かいませんか?｣

先生は今日のＨＲについて話し出した。

湯ノ沢学園大クリスマスパーティーか…。

湯ノ沢学園大クリスマスパーティーとは高等部限定で行われるクリスマスイブに予定のない悲しい生徒達による自由参加の冬の文化祭みたいな感じだ。

出し物、主に飲食系の出店は文化祭とは違い、各学年のクラスからではなく部活やサークルの生徒達が率先してしている。

去年は裕美は家族とパーティーだから、僕は浜と一緒に行ったがそれはそれは楽しかったよ…な、泣いてないやい!!

クリスマスイブ…。

もう、そんな時期か…。僕はそんなことを考えながら、また窓の外を見ていた。