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「…ノボリ兄さん大丈夫?」
そこへ、仕事へ行く前のクダリが顔を覗かせた。
「このくらい…大丈夫…ですから…仕事へ…!」
「ホントかなぁ…。じゃあ、先に行ってるよ。」
ドアが閉じ、情けない姿を見て笑う者がいた。
見た目は女の子。だが、明らかに人間より小さく、羽が二枚。奇妙な生き物に出会ったのだ。
「何者ですか?」
聞くと、また小さく笑い、いたずらな笑みを浮かべていた。
「ピクシーよ。一言で言えば、妖精。」
「妖精?」
「うん。」
近寄り、帽子を見ている。匂いを嗅いだり、触ったりしている。
「『ライドウ』みたい。」
―『ライドウ』?
このピクシー…昔の主でも思い出したのだろうか。
「ノボリ兄さ……ん!?」
またクダリがひょっこり顔を出していた。
「兄さん…結婚おめでとう…。」
「はい?…それはどういう意味ですか…?」
「だって…あのちっちゃい女の子…ノボリ兄さんの子供でしょ?」
この発言のあと、クダリをお仕置きすると同時に、今までの経路を話した。
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